特別受益の持戻し

2024-11-04

相続

特別受益の持戻しとは




特別受益の持戻しとは、法定相続人の中で特別な利益(贈与や援助)を受けていた人がいた場合、その特別な利益を相続財産に戻して公平に分配する制度です。これは、遺産分割において公平を保つために定められているもので、遺産相続が不平等にならないようにする目的があります。

 

具体例で理解する「特別受益」

例えば、被相続人(亡くなった方)が生前に一人の相続人に大きな金額の贈与を行った場合、その受け取った相続人だけが特別に有利な立場に立つことになります。このような場合、その特別受益分を他の相続人と調整するために「持戻し」が行われます。

 

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被相続人が長男に500万円の生前贈与を行い、相続財産が2000万円あったとします。この場合、相続財産に500万円を加算して計算を行います。つまり、2500万円を相続財産とみなした上で、他の相続人に分配を行います。

 

特別受益にあたるものの例

結婚・養子縁組に際しての贈与

被相続人が相続人に対して結婚祝いとして大きな贈与を行った場合がこれに該当します。

 

住宅購入資金の援助

被相続人が相続人に対して住宅購入資金を援助した場合も特別受益とみなされることがあります。

 

事業資金の援助

家業や個人事業を始めるために被相続人が相続人に資金を提供した場合も含まれます。

 

持戻し免除の意思表示

被相続人が特別受益の持戻しを行わないようにしたい場合、「持戻し免除」の意思表示を行うことが可能です。これは、遺言や明確な意思表示によって行われ、「特別受益として受け取った財産は他の相続人と調整せず、そのままで良い」というものです。持戻し免除を明示しておくことで、特別受益の加算が不要になり、他の相続人との分配に影響を与えません。

 

持戻しの必要性とその効果

特別受益の持戻し制度は、相続の公平性を保つために非常に重要です。特別な利益を受けた相続人がいる場合でも、他の相続人との公平を考えた分配が可能になります。また、持戻しをするかどうかによって遺産分割の方法が大きく変わるため、適切な判断が必要です。

 



まとめ

特別受益の持戻しは、遺産分割における公平性を保つための制度で、相続人間の不公平感を解消するために重要です。また、持戻しを行うか免除するかを被相続人が明確にしておくことで、相続人間の争いを未然に防ぐ効果も期待できます。

 

 

 

 

 

 


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