2023-02-17
不動産売却では大きな金額で取引することが多く、取引に必要な知識の差で損をしてしまうこともあります。とくに専門的な知識や資格を必要とする査定や鑑定、登記などの手続きは、その違いが顕著にあらわれる事もあるようです。こんかいは不動産売却で損をしないように、必要な手続きごとに相談すべき専門家について纏めました。大切な不動産の売却に失敗しないために、参考になれば幸いです。
餅は餅屋と言うように、不動産売却は不動産の専門家である不動産会社へ相談するといいです。日頃から物件に触れている不動産会社は、不動産取引に慣れています。もっとも良い売却方法やトラブルへの対処方法など、不動産売却全般に知識と経験を持っています。しかし一口に不動産会社といっても、専門とする分野や強みが異なる事があります。たとえば仲介はぜずに買取再販をメインとしている会社もあれば、一戸建ては取り扱わず分譲マンションのみを取り扱う会社もあります。
大切なのは、相談したい物件を扱うことに優れている、専門的な知識や経験を持ち合わせている不動産会社へ相談することがキーになります。とはいえ希望の不動産会社かどうかは、看板やHPを見ただけで見極めることは難しのが現状と思われます。そこで不動産売却を検討する方が多く利用するのが査定や口コミとなります。査定サイトを経由して査定を依頼することで、専門外の不動産会社から問い合わせを受けることはありません。
売却方法を検討する
査定サイトを使って売却価格の相場が把握する事で、依頼する不動産会社を選びます。対象とする不動産の売却に関して専門的な知識を持っている不動産会社であれば、適切な売却方法を提案してくれるはずです。最低、3社の不動産会社とのやり取りをすることがお勧めです。
不動産会社に正式に売却を依頼することが決まると、媒介契約を結ぶことになります。媒介契約には条件が異なる3つの種類がありますが、依頼される不動産会社がもっとも費用と労力を掛けて本気で売却活動をおこなってくれるのは「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」ですが、不動産会社によっては、一般媒介契約でも「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」と同じに対応する会社もあるようです。一社に決めれれないようでしたら、「一般媒介契約」から契約される売主様もいらっしゃいます。
媒介契約をした不動産会社は、専門家の知識を必要とする案件が発生する事があります。その時は不動産会社にいるエージェントが相談に乗ってくれたり、専門家を紹介してくれるなどサポートしてくれます。
売却では弁護士、税理士や不動産鑑定士、測量士、司法書士、土地家屋調査士や建築業者、内装業者など、さまざまな分野の専門家の力を借りることがあります。対象となる物件の特性に合わせて、不動産会社の担当者へ相談すると安心できると思います。
不動産売却における不動産価値の相談先:不動産鑑定士
不動産の価値を、その土地や建物に合わせた鑑定方法を使うことで、全ての人に明確に提示できる書類があります。それが「不動産鑑定士」によって発行される「不動産鑑定評価書」となります。個人間の売買などではあまり使われませんが、不動産鑑定評価書とはどういったものでどういった役割があるのでしょうか?
不動産の鑑定が必要なケースとは
査定サイトなどを通じておこなわれる査定は、過去数年の成約事例や路線価、近隣類似物件の売り出し条件などをもとに算出されます。しかし査定額は担当者の経験や肌感覚に左右されることもあり、査定する人やタイミングによって大きく差が出る場合があります。しかし離婚による財産分与や遺産相続、関連会社間での不動産売買など、相手方や税務局に対して不動産価値を明示しなければならない場合は、不動産会社による査定は適切とはいえません。そのようなときに用いられるのが不動産鑑定士による不動産鑑定となります。
不動産鑑定評価書とは
不動産鑑定は対象となる不動産の特性に合わせて、原価法・取引事例比較法・収益還元法のなかから複数の方法を使って評価する事となります。
この鑑定は不動産の鑑定に関する法律に基づきおこなわれる法的行為となります。
しかし不動産鑑定はあくまで不動産の価値を明示するための書面作成が目的なので、鑑定結果と実際に取引される価格が同じではない点もあるので注意が必要です。
不動産鑑定評価書が必要になった場合は、近くの不動産鑑定士に相談すると良いでしょう。鑑定や書類作成には約1か月ほどかかりますが、根拠を示した詳細な書類を作成してくれます。費用は1件あたり30万円となり高額となりますので、いくつかの鑑定士事務所でか比較してみると良いでしょう。
不動産売却では権利関係の変更に伴う変更登記が必須となります。住所変更登記や抵当権抹消登記、所有権移転登記で、抵当権も含まれることがあります。手続きにちぃては当事者間自身でおこなうことも可能ですが、一般的に「司法書士」に依頼することが多いです。
なぜ不動産の登記は司法書士に依頼するのでしょうか?
不動産登記とは、対象となる不動産の情報や権利関係を記した不動産登記簿を新たに作成したり、追記・変更することがあります。登記簿は甲区と乙区に分かれており、甲区は表題部と呼ばれ、土地や建物の物理的な状況を表す所在や地番、地目、所有者、原因、家屋番号、構造、床面積などが記載されます。一方で乙区は権利部と呼ばれ、所有権や敷地権、賃借権や抵当権など、対象の不動産にたいする権利が記載されることになります。
不動産登記のうち表題部である甲区は、登記法によって土地が開発されたときや建物を新築したときに必ず登記しなければならないとされていますが、権利部の乙区は必ずしも登記する必要はなく、義務ではありません。しかし一般的に不動産売却があった場合、乙区も登記変更することが通常です。
これは第三者対抗要件を満たすためで、登記さえしておけば万が一トラブルとなっても法的には登記されている権利が優先されます。相手方に対抗できるからです。
一般的な不動産売却では、登記の内容によってその費用をどちらが負担するのかが、決められています。
たとえば所有権移転前の住所変更登記や抵当権抹消登記などは売主負担、所有権変更登記や抵当権設定登記などは買主負担となります。
これらの変更登記は法務局に足を運べば、当事者同士で手続きをおこなうことができます。法務局の職員に相談すれば丁寧に教えて貰えます。書類等の不備により改めて足を運ぶこともあります。
ですが、取引の公平性や手間を考慮して、仲介する不動産会社が司法書士に依頼し、決済の場に立ち会い無事に決済完了したのを見届けてから、必要書類を作成し手続きすることが通常となっています。
ちなみに住所変更登記には1~2万円、抵当権抹消登記には1~3万円の司法書士費用が必要です。なかなか数人の司法書士に見積依頼をする事はできませんが、多少の費用の差は出てくると思われます。
また登録免許税も別途必要になりますので、事前に金額を確認しておきましょう。
不動産売却では、専門的な知識や資格を必要とする手続きが複数ありますが、そのなかには売買の当事者が自ら手続きをすることが可能なものもあります。ですがすべてを自ら手配するには時間と手間がかかり、トラブルになるリスクもあります。また、不動産売却では、手続きがスムーズに進まないと相手方に迷惑を掛けてしまうこともあります。そのため多少費用が掛かったとしても、不動産会社を通じて手続きをおこなうことでスムーズな取引を優先することが一般的となっています。
不動産売却を思い立ったら、まずは信頼できる不動産会社を選んでから、さまざまな手続きを計画的におこなうようにしましょう。
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